2018年9月末までで、今やっている2つのことをやめることにしました。
・NHKカルチャー青山教室(毎月)
・鰺句会(隔月)
初心者向け講座に何回か通って、その人が初心者のままであるとしたら、教える側が手加減をしているか、教わる側にやる気がないか、どちらかだと思います。だから、初心者向け講座というのは、そうですね、6回くらいでメンバー総入れ替えが必要だと思います。そんなかんたんに初心者じゃなくならないって? それは、お互いがその程度の気構えだからじゃないでしょうか。私の感覚だと、そのままのメンバーでいくなら、次の6回は中級編にならないとおかしい。とはいえ、初心者も上級者も一緒に楽しめるのが句会でありますから、ふつうのカルチャー句会の先生は、そこのところの采配が実にうまく、新しく来た人にも古参の人にも学びがある。
ですが、私にはそれがうまくできませんでした。とくに私が弱いのは、知識がないというところです。いい先生というのは、少しずつ的確なタイミングで古今の作品のいい例を出して、ハウツーや例外的なやり方を補強できます。私の場合は、そこにあるその句のことしか言えません。
しかも私の講座や句会は、「もともと俳句が面白いと思って句会に来た人」以外にはあまり親切でないものでした。たぶん、適当な気持ちで句会に来てみた人は「マジじゃん、こりゃ無理だわ」と思ったでしょうし、ちょっとやっていたという人も、褒められないから面白くないと思ったりしたでしょう。私だって、居酒屋のカウンターで知り合ったおじさんが一句詠んだけどどう? みたいなときにはうまく褒めますよ。下手な句を褒めるのは話芸です。でも句会で楽しむべきは私の話芸ではなく、俳句そのもののはずです。
もちろん、全員に俳句ガチ勢になってもらいたいわけでもないですから、ある程度どんな句会に行っても恥ずかしくないというところまで俳句が書けるようになりさえすれば、俳句とは適度な距離を保って、たまに句会に遊びに来る、というのは大歓迎です。ふだん俳句と関わりが薄いから書けるおもしろい俳句というものがあり、俳句どっぷりの人は刺激をもらえます。
(ただ、ある程度俳句が書けるようになる、というのは、遊ぶ上で大切です。オセロだって、ルールがわかるだけでは、うまい人とやったら必ず負けます。けっこううまい人と遊んでも、うまい人を楽しませるくらいのことができるくらいのところまでは、できるようになってほしい。なぜかというと、私は、おもしろい句会以外に出たくないからです。おもしろい句会というのは、今まであんまり見たことのない句をどう読むか考える場です。少し学べばわかるようになることを指摘してもらいに来るのは、甘えだと思ってしまう。)
「もともと俳句が面白いと思って句会に来た人」には、別の句会への参加や結社への入会をすすめたり、句集を紹介したり、賞への応募を促すなどして、「自力で初心者じゃなくなってもらう」ようにしてきました。また、初歩からきちんと教えてほしい、やさしく教えてほしいという人には、それができる先生を紹介しました。その結果、私の初心者向け講座や句会からは、どんどん人が少なくなりました。当たり前です。今来てくれている人たちはだいたい、生徒というより仲間です。
というわけで、これからは以下の方針をとろうと思います。
・句会では指導料はとらない(会場代、雑費はいただきます)
・やりたくない句会はしない
・初心者向けの講座や句会は、必要があれば単発で行う
(参加者5人以上、会場を用意してください。時と場合によりますが、一人あたり1000円〜でやります)
・指導する以外のことでお金を稼ぐ(これが一番ムズい。がんばろう)
というわけで、2018年度後半からも、どうぞよろしくお願いします。