2017年10月3日火曜日

2017.10.3 高田牧舎と高田獄舎のこと

9/25
松山へ。道後で生駒くんと会ってお茶。『天の川銀河発電所』のことなどを話す。公募作家がよかったと言われて嬉しい。実家に帰宅して夕飯。

9/26
音響学会で講演「聴く俳句 俳句は音でできている」。『天の川銀河発電所』から音やリズムのいい句を選んで解説した。興味を持って聴いてくださった方が多く嬉しかった。私は研究者ではないのだが、俳句の日本語学的なアプローチはもっとなされていいと思う。終わって一旦帰宅し、大街道へ出て、講演を聴いてくれた岡田さんとまいまいさんと生駒くんとお茶。岡田一実さんの「薔薇ピンクイエローのり子美容室」という句は、見た目も内容も派手だし、濁音・半濁音・撥音・母音・長音・濁音・長音、と、音的にも派手な句である(講演でも紹介した)。そこで食べた季節の果物とラムレーズンのサンドがめちゃめちゃ美味かった。マスカットと栗が入っていた。全日空ホテルでの懇親会のあと、ひとりでバーに行きひとりだったのでマスターたちと話した。地方だと女子のひとり飲みはあまりないとのこと。

9/27
帰京。と言っても、まだ柏。帰柏、か。

9/28
台所用の大きい家具が新居に入るかを確かめるため、新居へ。見積もりはすぐ終わり、新宿で本を買って、東京駅ナカをぶらぶらしたりして帰る。思いのほか疲れた。

9/29
新聞社で少し取材を受けたあと、夫の上司9名に結婚のご挨拶の飲み会。由緒ある築地の料亭で、なくなってしまうのは惜しく思われた。刺身に鯛の塩焼き、金目の煮付け、寿司、からすみ。どなたかが持ち込んでくださった「結」という結城の酒が美味かった。みなさんからフライパンなどをいただく。

9/30
午後、B&Bで澤井悦郎『マンボウのひみつ』刊行トークを聴く。今文学フリマに向けて関悦史さんと『翻車魚(まんばう)』という薄い本(隠語でなく単に薄い)をつくっており、その巻頭に『マンボウのひみつ』著者の澤井さんにご寄稿いただいた。ウシマンボウというのは本当にでかい。マンボウについてはだいぶ詳しくなってきた。
夜は青山ブックセンター本店で『早稲田文学 増刊 女性号』の川上未映子編集長が大いに語るイベント。俳句についてもたくさん語っていただき非常に励まされた。「バリおもろいメリやばいメリって何なん寒(さぶ)」という句を関西アクセントで読んでいただいた。L(低い)H(高い)のアクセントで書くと、「バリおもろい(LLHHLL)メリやばい(LLHLL)メリって何なん(LHっLLHLL)寒(LH)」となります。わかる方はそれで読んでみてください。

10/1
日曜日。夫と市役所の出張所に転出届を出そうと行ってみたら日曜は休みであった。新居には固定電話を置くことにしたので、電話を買って帰る。

10/2
先日行けなかった病院へ。今年の夏の終わりは皆調子悪かったと先生が言っていた。ブックス・ルーエでサイン本を少しつくって帰る。花本さんに具合が悪そうだと言われ、電車に乗ったらどんどん具合が悪くなった。低気圧のせいだ。

10/3
低気圧などで15時ぐらいまで寝たり起きたりしていた。ツイッターで話題になっていた高田獄舎さんのブログについて、私ははじめから感想だと思って読み、だから面白いところも違うと思うところもあったし、それにしても偉そうだなと思ったが、(批評ではなく感想なので)反論や紹介をするほどのこともないとして、関わらなかった。
『天の川銀河発電所』の作家の方は、嫌なことを言われても、全部佐藤のせいだ、と思ってもらえばいいです。もしあなたの良さが伝わらないのであれば、本のつくりや作品紹介や選句や並べ方がまずいということで、それは私のせいです。私としては、今回作品を収録させていただいた方を作家として信頼しているし、作品を収録しなかった方にも、素晴らしい作家はいるし、どちらにもこれから面白い句を書いてほしいと思っています。

関係ない話。ご存じない方もいると思うので書くが、早稲田には昔から「高田牧舎」なる洋食屋がある。獄舎さんの名前はそのもじりであり、私にとっては非常に思い出深い。
早稲田の日本文学の教授のなかには、早稲田出身の先生も多く、よって早稲田の万葉集研究会で出会ったうちの両親のことをよく知っている人たちも何人かいて、そういった先生はみんな私の保護者と化していた。そんなわけで授業後に話しに行ったりすると「お父ちゃんは元気か」などと言われるのが常だった。大学入学当初、そんな先生の一人に、初めて連れて行ってもらったのが「高田牧舎」だ。早稲田に来たな、というかんじがした。
その後も「先生らが行く店」感があるところだった。しかし、今情報を見るにリニューアルして石窯ピッツァなどを出すようになったらしい。なんとなく残念である。どうせなら「高田獄舎」にでもして、辛いものばかり出す店にしたらよいのに。
この前ある店で「茄子のディアボロネーゼ」なるパスタを食べたが、「ディアボロ(悪魔)」と「ボロネーゼ(ミートソースの仲間)」をかけているらしく、辛かった。その上花椒がつかってあったので、「麻婆茄子がけパスタ」といったところだ。「高田獄舎」という店があるとすれば、それっぽい食べ物である。