公募作家をひとりで選ぶにあたって、なにしろ公平にしなければならないと思いましたので、やり方をさきに決めて、すべて書いたフローシートのようなものを、版元に提出してあります。実は、ちょっと面白いやり方をしてみたのです。当然、一次選考に残った、最終選考に残った、という人が、それを見ればわかります。本のなかにうまく入れられそうなら、入れたいと思いますし、もし入らなくても、どこかで発表する予定です。今回は入集した方のお名前のみの公表となってしまいましたが、ぎりぎりまで迷った作家の方もいらっしゃいました。
応募してくださったみなさんが気になるかなと思った点について補足です。俳句を見て選んでいますが、みなさんのお名前は見える状態で選考しました。もし名前を伏せて選考したとしても、既発表作品含む200句なので、当然私が目にしたことのある句で作者がわかってしまう場合がある、それだと、作者名がわからない人とわかる人がいるという不公平性を生むと思ったためです。
もちろん、知り合いもいれば、知らない方もいて、だからどうということはなく、それぞれ面白く拝読しました。
全体のバランスよりも本気で推せる作家を選んだという意味で、わがままな選になっていますが、それができるのは、私ひとりで選んだからだと思っています。私は私を信じるしかないのが、心細いですが、私もがんばりました。
いろいろな新人賞や、こういった公募のようなものがあって、賞を獲る方もいれば、そうでない方もいます。でも、今回選ばれなかったからといって、その人の作品に価値がないということではありません。
選ばせてもらった責任として、応募してくださった人の作品をどのような理由で入れることができなかったかは、聞かれたらこたえられるようにしてあります。もし、今後何かに応募される際の参考にしたいという方がいらっしゃったら、私の意見でよければ、聞いてくださいね。
今回応募してくださったみなさんひとりひとりが次に書く作品を楽しみにしています。
アンソロジーには、公募作家も依頼作家にまぜて配列する予定です。
公募5名を含む54名の作品を楽しみに、お待ちいただければと思います。