最近少しテレビを見るようになったのだけど、サザエさんでさえちょっと見てられないときがある。こうかと思ったが実はそうじゃなくてこうでした、とかいうのでさえ、そのスジが見え始めた途端つらい気分になる。短い話でも長い話でも、事件は起こらないのがよく、オチはないのが好ましい。ストーリーでドキドキしたくない。いや、そういうのは、ストーリーでドキドキしたい人のためのエンタメとしてはいいのだろう。私が悪いのだ。でも私みたいな人も少なくないのではないかと思う。ありがたくモヤさまとブラタモリを見る。最近見ていないが都バスで飛ばすぜいはまだやっているのだろうか。
高橋揆一郎『雨ごもり』を読んだ。短編集。どれも面白かったが、とくに最後の「羊皮筏」がよかった。日中作家交流の一環で何人かで中国へ行ったという話で、日記にも近いけれど、葛藤やぐっと思ったことが厚塗りで書かれているのがよいのである。オチはない。