11/21
護国寺のぼたんの会。またマンツーマンだった。曾孫俳句が3句あった。曾孫俳句は、吾子俳句や孫俳句と違って、関係性がべたつかないのがよい。里芋などをいただく。その足で中嶋憲武さんらの展示へ。中嶋さんの作品に山岸さんっぽい女性のヌードがあって興奮した。腹が減ったので原宿のスタバでおやつにキッシュを食べて帰宅したら胃が痛くなった。夜、阪西母娘と近所で夕飯。あっちゃんのご両親は関西にお住まいで、先日の正岡豊さんとのトークショーにいらしてくださったので、お母さんと顔を合わせるのは2度目。お母さんは似顔絵作家で、結婚パーティーのときに夫と私の絵を描いてくださった。はじめて行った地中海料理屋うまし。胃は痛かったがどうにか少し食べた。
11/22
あっちゃんのお母さんの似顔絵の展示を見に八重洲地下街へ。他の人が全員有名人の似顔絵を描くなか、あっちゃん母だけコンセプトがストライプで、有名人にくわえて「しまうま」の似顔絵を展示していた。似顔絵というのは、俳句より川柳に似ている気がした。その後、石原ユキオ主催の「ぺったん詩ぺったん会」へ。これは、ユキオちゃんが岡山でやったイベントの出張版。荻原裕幸さん、中山奈々さんらの短歌や俳句を単語に分解して、それぞれをスタンプにしたものを、自由に捺して自分の詩や短歌、俳句をつくる遊び。上質な短歌になったり、絵を描き入れる人がいたり、性格が出る。小さい貸会議室でお菓子を食べながらにぎやかに行う。こどももふたり来て楽しかった。そのあと雑誌の対談。山田航さんとはどこかで対談したいと思っていたのでありがたかった。白いスタジオでおしゃれショットも撮影。夜はひとりでなっちゃんのワインバーに行ったら、昨日の地中海料理の店の店主もよく来るとのこと。
11/23
祝日。文学フリマの日。雨。気圧の影響で起床がつらい。夜中の2時に帰ってきた夫も朝一緒に起きて、私が化粧をしているあいだにビラをコピーしてきてくれた。会場につくとブースはわりといい場所にあり安心。と思ったら、せっかくデザイナーのみけんさんがつくってくれた翻車魚ポスターを持参し忘れたことに気づく(ユリちゃんが刷ったgucaのポスターも)。ユリちゃんに表紙をカラー拡大コピーしてもらうことにし、はじめはブースに一人。ユリちゃんが帰ってきて、「guca」(800円)と「翻車魚」(500円)セットで1200円(100円引き)のはずなのに1300円で売っていたことを指摘される。その上、ハガキセットを入れる袋も買い忘れていた。ダメさが炸裂。しかしユリちゃんは怒ったりせず、私も泣いたりせず真面目に販売した。昼頃「翻車魚」の関悦史さん到着。ユリちゃんが昼を食べに行っているあいだふたりで店番するが、関さんが「gucaの太田ユリです」と名乗る機会はなかった。その後関さんとランチ。会場端に出店していたカレー屋「ターリー屋」でカレー弁当を買う。あたための列に並んでいたら、列の何人か前の人がカレーを出すときにレンジの皿が一緒についてきたのか、皿を落として粉々に割ってしまった。前に並んでいた知らない女性と「皿、なくていけるんでしょうか」「あ……カレーまわってますね」「案外いける」「でも電子レンジの皿だけって売ってるんでしょうか」「このカレー弁当をあたためるためだけにこの電子レンジがつかわれるのであれば皿がなくても大丈夫かも」などと話した。無事カレーはあたためられて関さんとご飯を食べ、関さんはほかのブースをまわったが、私はそのまま店番に戻り、ついに最後まで他のブースをまわることなく店番し続けた。当初は、私は長く座っているのがいやだから歩き回ると予想されていたが、やはり文学フリマ特有の雰囲気が苦手なことに変わりはなく、自分のブースにいるのが一番ラクという結果に。われわれのブースで買い物をしてくださったのにこちらが買いに行かなかったのは不義理というか恐縮。絶対に買いたかったのに買えなかった2誌については後日販売してもらえるように連絡をとった。昨日のぺったん詩で会ったこどもたちも来てくれた。4歳の彼女に「さとうさ〜〜〜ん!!!」と抱きしめられたのは、抱き心地がよさそうな服を着ていたからだと思う。関さんと「翻車魚」に特大スタンプを捺し、「できたての生マンボウです」などと売っていると、夕方高山れおなさんが来場。前日にたまたま高山さんが「筑紫磐井さんの携帯番号知ってる?」と電話をかけてきて(知るかいな!)、「みんな元気〜?」と懐かしそうなことを言うので、明日文フリだからよかったらいらしてくださいと言っておいたら本当に来てくれたのだった。若くん、関さんらに会って嬉しそう。せっかくだから一緒に夕飯も食べることにしたら、撤収で机を運ぶのも手伝ってくれた。新橋の微妙な店に入り酸化防止剤味のワインを飲みながらお金の計算をした。結果、「guca」が100冊、「翻車魚」が約50冊売れ、ほかのものもまんべんなく売れたので、とてもいいかんじでした。しかし3人はワインで悪酔いした(高山さんはそのあと職場に戻り2時間仕事をしたらしい。肉体の出来が違う)。帰宅して聞くと、夫は二度寝もせずバスで吉祥寺に行ってジュンク堂に行って帰ってきたそうだ。
11/24
家事と文フリの後始末以外何をしたか思い出せないが、原稿〆切を延ばしてほしいと連絡したらこれ以上は延ばせないと連絡が来た。人生で初めて里芋を茹でたのはこの日だっただろうか?
11/25
まのあたり句会inみなとみらい。夫は新宿三丁目まで一緒に来てくれた。高橋睦郎さん、星野高士さん、北大路翼さん、私。担当は阪西さん。前半は講師陣の句会で大爆笑の嵐。私の出した「浅はかな句」というお題がよかったと思う。後半はみなさんの作品に講師が句会形式でコメント。今回は参加者の人数があまり多くなかったのでじっくりできた。高橋睦郎さんとはじめてしっかりしゃべれてよかった。次回は3月17日、池田澄子さん、藤井あかりさん、神野紗希さんと。終わったあと翼さんあっちゃんらと野毛の通称「ばばあの店」へ。翼さんが場所を見つけられず、「半開きの店でさ、ばばあが便所で倒れてんだよ」と言うが、結局友人のいのうえさんが来ないと場所がわからなかった。しかしこのばばあが最高で、まず翼さんのことをエグザイルを引退した男だと本気で思っているし、お姉さんと呼んでも反応しないばかりか「お名前は」と聞いても「ばばあはばばあだ」と青森訛り。2000円でおつまみつき飲み放題だし、ばばあは非常にやさしくて南部煎餅もうまかったしまた行きたい。帰宅してみたら夫は新宿で紀伊國屋書店に行き、そこから歩いて帰宅したらしい。1時間半はかからなかったようだが、夜急に寒気がすると言っていた。
11/26
夫、発熱。疲れているのに新宿から家まで歩いたりするからだろう。寝かせておく。私も疲れで調子がよくなく、「早稲田文学」女性号のトークイベントをキャンセル。夕方まで家で過ごす。午後、夫も私もマシになってきたので、私は夫を置いて阿佐ヶ谷にライブへ。トオイダイスケさんがベースで参加しており、最後に「天の川銀河発電所」の歌をみなさんで演奏してくださった。ハーモニカの寺澤さんがめちゃくちゃうまくて感動した。できれば3月のコンサートにも足を運びたい。シャンソンにも興味を持った。ハーモニカやシャンソンは習うことはできるだろうか。
11/27
美容室。大学時代から切ってくれている美容師のヒガさん、かつては「さらさらにのばしとくね〜」(縮毛矯正)だったのが「しっかり染めとくよ〜」(白髪染め)になっているのが感慨深い。荻窪titleへ。「guca」を納品し、中山信一さんの展示を見て、アップルパイを食べコーヒーを飲んでいく。店主の辻山さんはかっこよくて安心するので本屋さんに向いていると思う。その後、トオイダイスケさんと小田朋美さんの冬銀河 DINNER SHOW 2017用のリハを見に新宿のスタジオへ。小田さんが私の歌詞に曲をつけてくれて感動。3人で西新宿で鶏の店に行って帰る。小田さんと話していて、音楽ではその人の声で歌い直すだけで一回性が生まれるので新しくなるが、俳句はそれがないから新しくするのが難しい、書き方(方法)で声色を出すしかない、のではないか、ということを思った。
11/28
皮膚科へ。先日環状紅斑だと言われステロイドで治った部分や身体中ががさがさなのでなにか処方してもらおうと思って行ったら、もしかするとシェーグレン症候群(膠原病の一種)ではないかといわれ、そういわれるとあてはまることもいろいろあるので(胃炎、手の痺れなど)、もしそうだとわかったからといって特効薬があるわけでもないが、一応総合病院で調べてもらうべく紹介状を書いてもらった。夕方、紀伊國屋書店に「 guca」と12/1発売予定の上田信治句集『リボン』のPOPを持って行き(「guca」ポップは元メンバーの石原ユキオが描いてくれたもの、『リボン』ポップは私が牙城さんに言われて書いたもの)、夜はNHKカルチャー。「皿」と「クリスマス」というお題で、「皿皿皿皿皿血皿皿皿皿(関悦史)」「柔かき海の半球クリスマス(三橋敏雄)」などを紹介した。終わって飲みに行った店のカウンターに小さいゴキブリが出た。もうあの店には行きたくない。
11/29
1週間前に生協に加入し、はじめて品物が届いた。自分で頼んだものながら、プレゼントをもらったような気分でちょっと嬉しい。しかしお金もうちから出ていることを忘れないようにせねばならない。夕方、師匠の家に歩いて行って「guca」「翻車魚」を謹呈。百合をいただいて帰る(太田「ユリ」表紙の「guca」を渡し「ユリ」をもらって帰る)。世間話をして、生協のきりたんぽが美味しいと教えてもらった。もらった百合はすごいでかさでリビング中がユリの香りになった。夜は惣一郎と地中海料理に行こうとしたら休みで、その近くのイタリアンに行った。外山一機の「川名大を忘れる、ためのガイダンス」について教えてもらった。今遊女史を勉強しているらしい。
11/30
こんなにたくさん日記を書いているのは、やらなければならない仕事をやる気が出ないからです。やらなければならない仕事というのは、山口で講演したものをまとめるというものなのだが、もう1ヶ月経ったので忘れてしまったし、いや録音はしてあるんだが自分の声を聞くのが億劫だし、そもそもまとまりが悪かったし、というか終わってすぐこういう仕事はしておかねばならない、11月末までと言われているから今日までだ、とりあえず別件のゲラはひとつ返したけれども、天気もよくないし寒いしいやなこった。昼飯なににしようかな。