2022年12月31日土曜日

メキシコの海の写真が送られて来た(2022年のまとめ)

今朝、海の写真が送られてきた。年末年始はメキシコで過ごすと言っていた、ヒューストン大学の院生で詩人のウェイジアからだった。
3ヶ月ちょっと前はアメリカにいたことなどまるでなかったことのように日本での暮しに戻った私だが、「How are you recently?」とLINEが来ると、アメリカにいたのは夢じゃなかったのだなと思う。ヨセミテも、ナパも、テキサスも、グランドキャニオンも、シカゴも、今年のことか。信じられない。新宿に行くみたいな気分で、サンフランシスコに行ってただなんて。

2021年10月はじめから2022年9月おわりまで、ちょうど1年間のカリフォルニア生活は、本当はつらいことが多かった。日本に帰ってこれて、心底よかった。でも、アメリカにいた日々がなかったことにならないように、その期間のまとめをしておこうと思う。

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10月 入国。IKEAでベッドを購入するところから。はじめはネットもつながらず大変だった。ランゲージエクスチェンジのサイトを使い、弁護士のショーン、日本オタクのスコット、院生のエマちゃんに会う。

11月 語学学校に通い始める。200分週5回×10週間。語学学校の子たちとサンフランシスコで火鍋を食べたことを契機に、英語はできないが友達がたくさんできる。
妹の後輩でバークレーに住んでいるカレンちゃん宅にお邪魔し、サンクスギビングデー。七面鳥を食べる。

12月 タカシとワイナリーへ、バスツアー。ソノマとナパの間の有名でないところ。
クリスマス、タカシとサンディエゴ旅行。サファリと動物園、UCサンディエゴを見学。行きの飛行機は欠航になり、帰りはBARTが止まっていた。

1月 年末年始はまたコロナが流行り、語学学校にただ一人の生徒となる。その後、マンツーマンレッスンに切り替え。50分週1回×10週間。

2月 英語のやる気をなくし、仕事もなく、ビールを飲んだり日本の友達とZoomをしたりして過ごす。
バークレーハーフマラソンの10kmコースを、開催9日前に知り、急遽参加。完走。54分19秒。

3月 暇なのでランニングをする。
俳人の斉藤志歩さんの友人でUCBの院生のアオイくんのはからいで、UCBの日本語会話グループに参加。屋上での持ち寄りパーティなどにも呼んでもらう。
タカシ職場Bの大部分の方が帰国されるため、オークランド動物園やシェパニーズのカフェに行った。

4月 タカシ、ようやくオークランドの職場Aに行けるようになる。
ボイシ州立大学へ調査に行くタカシに伴いアイダホ州ボイシへ。美しく穏やかな街。
O田さんとHAIMライブ@グリークシアター。
O田さん夫妻の車に乗せてもらって4人でヨセミテへ。感動。出国前の目標が「ナパとヨセミテに行く」だったため、目標をほとんどクリア。感謝。

5月 語学学校、アフタヌーンクラスに変更。100分週2→途中から週4×8週間。アクティビティとしてアンディ先生とランニングをする。
日本語会話グループの生徒数人から個別に話を聞き、UCBの日本語コースの近野先生を紹介してもらってお話を聞く。
語学学校がスポンサーもしているベイエリアブックフェスティバル、バークレーで2日間開催。詩人・翻訳者のフォレスト・ガンダーさんとお会いする。
子規記念博物館で俳句の翻訳グループの指導をしているルース先生(カレンちゃんのお母さん)とLINE通話で俳句の翻訳について話を聞く。

6月 語学学校を修了する。誕生日会を兼ねて友人たちを呼んで飲み会@ジュピター。
タカシとタカシの同僚のトッドさんと、ジャイアンツVSドジャース@オラクルパーク。
俳人で通訳の青柳フェイさんにお会いし、俳句の翻訳について話を聞く@サンフランシスコ。
タカシとサンノゼ日帰り旅行。
タカシとともにWORDLE、太鼓の達人とテトリスにハマる。

7月 タカシとサンフランシスコ動物園。
ナパバレーライターズカンファレンス。5泊6日!。詩人の先生の講演を聴き、詩の翻訳ワークショップに参加。ナパを観光し、毎晩地元のワインを飲んだ。行く前は不安で鬱になっていたが、たくさんの友達ができ、人生における一大イベントとなった。上海出身のウェイジアくんと仲良くなる。

8月 UTサンアントニオ・オースティンへ調査に行くタカシに伴いテキサス旅行。とくにオースティンでのライブを聴いた3夜は忘れがたい。スタンフォード大学にも同行。
Haiku Poets of Northen Californiaでプレゼン。日英での俳句朗読が好評で、翻訳をしてくださったフェイさん他に感謝。
ラスベガスのホテルを朝4時台に出発する1泊2日のグランドキャニオンパッケージツアーに参加。ハードな行程ながら自然に圧倒される。カジノはせず。

9月 2人でコロナに感染。風邪程度、自宅待機で治る。ポール・ワツキーさん、フェイさんとZoomでお話。UCLA、イリノイ大学へ調査に行くタカシに伴い、ロサンゼルス・シカゴ旅行。ウィートン大学で野中美峰先生にお会いし、シカゴ美術館で作品に圧倒される。ナパで知り合ったジュディ先生の授業にお邪魔し、プレゼンと朗読をさせてもらう。お世話になったみんなと飲んで、バタバタと帰国。

帰国後

10月 文学フリマ福岡。伊万里で焼鳥を食べたり、博多で焼鳥を食べたり、酒を飲んだり、酒を飲んだりした。このために同人誌「焼鳥」をつくった甲斐があった。翌週は灘校土曜講座。自分にとっても季語について考える契機となった。

11月 文学フリマ東京。「翻車魚」vol.6を売る。仕事を全然していなかったような気がするが(実際あまりしていない)、自分はずっと「焼鳥」と「翻車魚」をつくっていたらしい。10月からとにかくいろんな友人と飲みまくった。虫歯治療をしたらかぶせものがうまくいかず何度も取れて疲弊。テレビの仕事も大変だった。

12月 来年3月にハーフマラソンに出場することに決め、それに向けて本気でランニングを開始する(が、寒いのでサボりがち)。連載仕事の関係で星のや東京に宿泊。年末、相模原ぶらっと旅。タカラヅカ スカイステージ(宝塚専門チャンネル)ばかり見て過ごした。

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●通年でやっていたこと
・翻車魚ウェブ(同人誌のサイト・月2回)
・「鏡」寄稿(同人誌・季刊)
・悟空の会(Zoom句会・月1回)
・ランゲージエクスチェンジ(月2〜4回程度)
・Zoomお悩み相談、飲み(日本の昼はアメリカの夜)
・なんらかの飲み会(セッティングし続けていた)

●アメリカにいる間にした仕事
・遠山陽子『三橋敏雄を読む』編集
・『遠山陽子俳句集成』企画協力(第37回詩歌文学館賞俳句部門・第21回俳句四季大賞)
・佐藤智子句集『ぜんぶ残して湖へ』(左右社)企画協力、週刊俳句特集企画
・本を味わうハーブティーネーミング3句
・「俳壇」12月号10句
・「りぼん」「ほわころくらぶ」コーナー俳句 監修
・紀伊國屋書店国分寺店選書フェアPOP(池田澄子著『本当は逢いたし』)
・「me and you」 5句
・月刊『土木技術』「俳句と土木」監修
・Edge 「No.107 無数の声に紛れよ 歌人・山田航」レビュー
・『俳句を遊べ!』(小学館)電子書籍化
・「俳句界」4月号エッセイ「私が好きな二句一章の句」
・「俳句界」6月号エッセイ「海外詠の魅力」
・「俳壇」7月号エッセイ「句集よもやま話」
・俳句以外を書く人のための句会(2回)
・京都精華大学 大森静佳先生クラスのゲスト講師(Zoom)
・青山ブックセンター この夏おすすめする1冊(原成吉著『アメリカ現代詩入門―エズラ・パウンドからボブ・ディランまで』)
・「現代短歌」エッセイ「私を変えた批評」
・Haiku Poets of Northern Californiaにて講演
・ドミニカン大学カリフォルニア校 ジュディ先生のクラスでプレゼン
・斉藤志歩句集『水と茶』(左右社)企画協力
・俳句個別指導、個別相談(Zoom、手紙・月1〜3回程度、通年)

●同人活動
・「焼鳥」(犬塚堯研究、中邨政也・がつつさんと。10月福岡文フリから販売)
・「翻車魚」(俳句。高山れおな・関悦史と。6号は11月東京文フリから販売)
・「Winged Unicorn」(川野芽生との川柳・短歌・俳句フリーペーパー。紀伊國屋書店国分寺店の川柳フェアにあわせて作成、今後文フリにて配布予定)
・「Pegazine 01」(佐藤編集のフリーZine。各文フリにて配布)
・「虎とバター」(2019年まで指導していた句会の同人誌。10句寄稿)

●帰国後の仕事
・「第1回ペガサス句会 in 博多」(10/21)
・灘校土曜講座(10/29)
・「眩暈 VERTIGO」(井上春生監督)のパンフレットに俳句と小文「つくり手の私たちへ」寄稿
・「俳句」12月号「水気の冬」12句

●現在進行中の仕事
・「俳句界」連載(2022年11月より4回)
・「婦人画報」星のや「暦のことば」(2023年1月号より1年)
・アンソロジー『おやすみ短歌(仮)』(実生社・枡野浩一・phaとの共編著)
『稲畑汀子俳句集成』読書会(1/22予定) etc.
・引き続き、Zoomでの個別相談・指導を承ります

●出没情報
2023年 1/15 文学フリマ京都

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実は、アメリカでのことについては別のかたちでまとめる予定だ。うまくいくかどうかは2023年にかかっている。英語は結局できないままだが、少しずつ触れる機会をつくっていきたい。短歌のアンソロジーの共編著もじわじわと進めている。短歌を読む日々である。

上記以外でよかったことは、水面下での「のん大」の活動(?)。今後も飲み過ぎには気をつけつつ、ライフワークとしての「飲酒」を、さらに自分らしいものにしていくつもりだ。

2022年、お世話になりました。2023年もよろしくお願い申し上げます。