2024年8月30日金曜日

2024.8.30 模試     佐藤文香

第27回俳句甲子園 灘高等学校チーム練習期間中、初見の句を読みすぐに美点・欠点を述べることができるよう、相手チーム作品のダミーとして兼題をつかって制作したものを加筆修正、再構成した。個人的なこの夏の思い出として置いておく






模試       佐藤文香
 
●佐藤高等学校
ハンカチのレースは水を弾きけり
友情や水と翡翠入れ替はり
メロン切る漁より帰りたる父に
尼寺に苔光り合ふ暑さかな
稲妻の細部の及ぶ過疎の町
馬肥ゆる秋や我らは馬を喰ひ
鶏頭花塗り潰されし史実あり
名駅から栄へ秋思など捨てて

●文香高等学校
甥の歯を洗った ハンカチに包む
翡翠のいきなりが永遠となる
メロンじゅわっと僕はひとりで帰るから
暑し 伝えることはまだあるけれど
心でわかる稲妻と海の愛
星座知らずに肥えてゆく君の馬
鶏頭を(軽い銃身として)折り取る
渋谷、ひぐらし 栄光に手は届く?



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